滲出性中耳炎とは

 

(1)滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)とは、最近「痛くない中耳炎」としてテレビや雑誌で問題になっている病気です。子供に多く、知らないうちに聞こえが悪くなる病気で、最近非常に増加してきています。落ちつきがない、テレビの音を大きくする、背後から呼んでも気がつかない、ことばを覚えるのが遅くなった、この様な子供は要注意です。

 

(2)滲出性中耳炎とは、鼓膜の奥(中耳)と鼻の奥(上咽頭)を結ぷ管(耳管)が狭くなり、中耳の中の水(滲出液)が鼻の奥へ排出できなくなるため中耳に滲出液がたまる病気です。耳がつまった感じがしたり、耳鳴がしたり、聞こえが悪くなったりしますが、発熱や痛みが少ないため小さな子供では発見が遅れる場合があります。この病気は放置すると滲出液がドロドロしたニカワ状になり鼓膜の動きが悪くなり、ひどい時には鼓膜が奥の骨にくっついてしまって冶療がむつかしい難聴になってしまいます。

 

(3)滲出性中耳炎は小学校低学年までの小児に多く、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の様に鼻の悪い人、アデノイド(鼻の奥の扁桃腺の一種)の大きい人、プールによく入る人、飛行機によく乗る人等でよく見られます。急性中耳炎が中途半端に治ると滲出性中耳炎に移行する場合が多く見られます。

 

金川耳鼻科皮膚科           金川清人