今までの院長ごあいさつ (H23.6.1-H24.5.9 )
最悪の事態を予想して

 人間というものは大変デリケートなものです。
多くの人に劇的に効果がある薬が、一部の人には無効であったり致命的な副作用が出たりします。
そうです。何が起こるか分からないのです。同じ事をしても同じ結果が出るとは限らないのです。
 私の経験でも、ちょっと鼻に入っていたガーゼを一本抜いただけで意識が無くなり、倒れた患者さんがいます。
ところが、そんな「恐ろしい事件」は教科書や論文には書いてありません。
先輩が後輩に酒を飲みながら、「こんな恐ろしい経験をした」と教えてくれるのです。
 本だけ読んで勉強する秀才は危機に弱い。医師会や医会(耳鼻科など)で個人的に話をすることが結構役に立つのです。

 東日本大震災でも、教科書だけの秀才たちは最悪の事態に対する想像力が欠如しているらしく、
「想定外の事件」が次々に起こったと嘆きます。
そうではない。「恐ろしい事件」が仲間の間で共有されていなかっただけでしょう。
一杯飲みながらの雑談は人の命を救うかも知れません。
H.23.5.30


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