雪印乳業の食中毒事件は、この会社が以前から返品された牛乳を再利用するなど杜撰(ずさん)な品質管理を行ってきた事が判明し、社会的に大きな問題になりました。
これまで、この会社の新入社員達はきっとこれらの慣習をを見て、「こんな事やっていいんですか?」と上司に尋ねたと思います。上司の答えは「今までうちはこの方法でずっとやってきて、何の問題も起きていない。同じ事は同業他社も大なり小なりやっている。」と言ったのは容易に想像できます。物わかりの良い若者はそれ以上何も言わず、10年して今度は新入社員に同じ事を言いきかせる、、、。何年も定着した慣習には誰も異議を唱える事が出来なくなっていきます。三菱自動車のリコール隠しや公務員の空出張なども同様に、組織ぐるみの慣習になっていきます。東海村の臨界事故を起こしたウラン加工会社JCOもウラン溶液をバケツに入れてコンロで加熱するという恐ろしい慣習を持っていました。
組織は古くなると、こんな馬鹿げた「慣習」が必ずいくつもいくつも積もってきます。組織のトップは慣習に麻痺した人間であってはなりません。外部の人材をトップに招聘するか内部でも思い切って若い人間にまかせてみると、原則をもう一度確認し悪しき慣習を打破する効果があると思います。組織も年期が入ってくると意図的に内部を大掃除する事が必要であると、雪印は我々に教えてくれたのです。
戦後日本の大経済復興は戦犯追放で古い経営陣が一掃されトップが若返ったおかげだと思います。全ての組織のトップを30,40代に!アメリカ大統領やイギリス首相を見習いましょう。