院長挨拶H.11.3.29-H.12.5.7

 日本の国の老人の絶対数が増えれば、医療費や福祉の費用が増えるのは当たり前です。それを「大変だ、大変だ、医療費(特に老人医療費)を減らさなくてはいけない」としか我々の政府は言えないのです。老人の数が減らないのに医療費を削減すれば老人一人当たりの医療は悪化します。こんな分かり切ったことに何故みんな反対しないのでしょうか?老人の数が増える事はずっと以前から分かっていた事です。何故もっと早く手を打っておかなかったのでしょうか?

 マスコミの姿勢が問題です。「医者は儲けすぎている。医者はみんなベンツに乗って、子供を学費の高い私立の医学部に入れている。」とはやし立てるので、医療費を削って医者を懲らしめてやろうという気分に皆がなります。しかしよく考えれば、医者も困るが患者さんはもっと困るわけです。木を見て森を見ないとはこの事です。ちなみに私の愛車はファミリアです。

 しかし医療費がかかる脳死移植医療にはほとんどのマスコミが賛成のようです。私は個人的には「人間は心臓が止まった時点で死亡と判定する」と考えていますので、「脳が死んだら心臓が動いていてもその人は死んだ」とする脳死には反対です。脳死問題はその人の人生観、宗教観によって大きく賛否が分かれる大問題です。医療費コストについてもどこまで医療保険が適応されるかよく考えて解決して行かねばなりません。

 

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